2005-06-10
またまたダークサイドのお話ですみません。
スターウォーズの新シリーズで、アナキンスカイウォーカーがダークサイドに堕ちていく過程をみていくと、大きく以下のような経緯がある。
1クローン大戦というプレッシャーのかかる、シビアな状況に置かれてしまう。
2ジェダイとしての実力があるのに、ジェダイ評議会には認められないことで不満が鬱積する。
3身内の不幸がある(母親を殺される。最愛の妻が死ぬヴィジョンを見てしまう)。
これは僕らがダークサイドに堕ちていく状況を彷彿させる。
すなわち僕ら現代人は、
上記1のように、常に戦場のような競争社会に置かれ疲弊している。
上記2のように、好きなことをやっても認められない。やるステージが無い。やっても金にならない、等の思い通りにならない境遇で不満が鬱積する。
上記3のように、身内の不幸や、更にはリストラや借金などで家庭に破綻が起こったりする。
スターウォーズではダークサイドの象徴であるシスの暗黒卿が、1の状況を長い時間をかけて設定し、2、3の部分でアナキンにつけ込んでくる、というストーリーになっている。
細かく言うと
1の戦争を引き起こすことで、表面的には分離主義勢力と共和国の争い、と見せかけながら、実はそれに参画するジェダイを疲弊させ結束力を弱め壊滅させ、アナキンをジェダイから分離するという裏の目的を持っていた。
2において、ジェダイに認められないアナキンを、シス(パルパティーン)だけが認め支えていた。勿論下心があって。
3において、身内の不幸が救えるのは、ダークサイドパワーだけだと、アナキンをそそのかした。勿論結局救えなかった。
結果気づいたら、まんまとアナキンはダークサイドの誘惑に屈してしまった。
僕らだって、たぶん、長いことプレッシャーのかかる状況が続いて疲弊し、自分を認めない世を恨み、怒りを抱いている時に「君には才能がある。私は知っている」などとおだてられ、揚げ句の果てに「愛する人と幸せになるには、この方法しかない」などと高価なツボなどを買わされた日にゃあ、気づいたらダークサイドに堕ちていることだろう。
エピソード3では、アナキンが最終的に、ジェダイにつくか、シスにつくか、すなわちダークサイドに堕ちるか否かの選択を迫られるシーンがある。具体的には、サミュエルLジャクソン演ずるメイス・ウインドウとパルパティーンの戦いのシーンで、結局アナキンは逡巡した後、メイスの腕を切り、パルパティーンに加担してしまうのである。
まあ、こういった以上のような事を踏まえて、今度は旧シリーズのエピソード4〓6を見ると、又新たな感慨がある。
特にエピソード6「ジェダイの帰還」ではルーク・スカイウォーカーの成長が実感できる。
ルークはアナキンのようなパッションもありつつ、しかし一方でオビワンのような確固たる意志とダークサイドに堕ちない強さを身につけたようだ。
ルークが最後ダースヴェイダー(アナキン)と決闘するシーンで、危うく怒りに任せ父であるダースヴェイダーを殺しそうになる。ここでダースヴェイダーを倒してしまえばルークはダークサイドパワーに支配され、まさにルークをダークサイドに誘惑せんとしていたシスの思うつぼであった。
ところが、ここでルークは思い止まって戦いを、ダークサイドを拒否し、なんとジェダイの命ともいえる武器、ライトセーバーをシスの前で投げ捨ててしまうのである。
アナキンがメイスを裏切ってダークサイドに堕ちたことを考えると、このルークの決断は重い。ライトセーバーの捨てた音が心なしか大きく響いたような気がするくらいだ。シスの前で丸腰になるなど、まさに命懸けの決断だ。
でもって、その時のルークのセリフが良い。最高にカッコイイ。
「Never!」
そしてシスに向かい決然と、こう言い放つ。
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